(鳥は統率の4人を無くし、殆ど機能しなくなった。そして忍も撤退している今こそチャンスだったのかもしれない。鳥の残党に指示を出しながら動く雄大の目は狭く、ほんの少しの隙があった。八弦もきっとそれどころではないだろう。だからこの殺人鬼は、子供を悠々と誘拐した。買い物にもひとりで出歩かさせない徹底をしてる朔の監視は、一人の鳥が犠牲になることで果たされる。犠牲と言っても、八弦が悲しむという理由で殺しはしなかったのだが)
宮本：
さてと朔、参りましょうか。(そういって男は単車をふかしながら彼に言う。路地裏には鳥がぐったりと横たわり、なぜかギャグボールをかまされ両手両足を縛られて転がされていた。男は朔を抱き上げ、タンデムに乗せると走り出す。細身ではあるのだが化物じみた宮本の長躯のおかげで朔は風圧を浴びることが少なく移動できるだろう)
駅になんぞ行ったらどうにも視線が多いのですよ。長旅になりますが、途中で防寒着を買ってバイクで参りましょう。車より小回りがききますし、あなたは普通の子供ではありませんから問題はないですよね。(そう言いながら宮本は笑いつつバイクを走らせ始めた。鳥の一人と買い出しに行く途中であったろう朔に、子供用のバイクグローブや、もこもこのマフラー、ダウンジャケットなどを途中で買い与えると、このバイクは高速に乗ってある場所に向かうだろう…朔の、兄がいるという場所へ)
朔：
そろそろ来る頃だと思ってたよ、じーじ。
でも、急がないときっとすぐに補充がくる。
やげんさんは間抜けなようでいてぬかりのない男で、しょーせーといっしょに仲間をかなりふやしていた。
（宮本による誘拐、と後に彼の家族たちは思うことだろう。敢えて鳥を生かし、簡単に情報が漏れるであろう方法を取ったのは、このシリアルキラーの趣味趣向のようなものだと解釈した）
（バイクや車を好む少年は、ひとしきりバイクを見て夢中で見て回った後、）
じーじ、免許は？
（目指すは伊豆…照星の知人（@04dg25）宅――）
宮本：
うふふ、じいじは生まれてこのかた、誰かに「免じて許して」もらったことなどただの一度もございませんよ♥️(つまり無免許である)
